ちょっと間が空いてしまいましたが、ドイツで活躍されている若手テノール歌手 吉田志門さんインタビュー最終回をお届けいたします。
先日発売されたCDに関する内容が含まれていたため、発売を待って公開しようと思っていたため、予定より1月近く公開が遅くなってしまいました。
吉田志門さんインタビュー④
先日行われたオンライン演奏会の模様
今回は少々長めになってしまっているので、全部見るのはちょっとしんどいという方もいらっしゃるかもしれませんので、是非とも個人的に聞いて頂きたい箇所としまして、16:22~のシューベルトの作品についてです。
ドイツの中でも、ミュンヘンやベルリンといった先進的なところで歌ってきた志門さんが、現在シューベルト作品、中でも有節歌曲をどうとらえているかというのは、歌っている方にとっても、踏み込んでリートを聴こうとされている方にとっても参考になるお話かと思います。
楽譜通りに歌うことだけが作曲家への忠誠なのか?
それとも、その作品と向き合った結果、楽譜通りでない音を演奏したとしても、作品の魅力が引き立つのであれば、それは作曲家への敬意に他ならないのではないか?
もちろん時代背景や、どのように場面で演奏することを意図して書かれた曲なのかによっても解釈は異なってくるでしょうが、シューベルトの歌曲に限定した場合、例えばベーレンライター(Bärenreiter)版とペータース(Peters)版の楽譜では、同じ曲でも音や歌詞の一部すら違っている場合があります。
また、日本歌曲でも有節歌曲を退屈することなく聴衆に聴かせることは難しいのですから、外国語となれば尚更なので、
実際に本番で装飾を付けて演奏するかは別としても、装飾音を考えるという作業は、歌詞の意味から自分で歌の世界を創造するという作業が生まれるので、学生さんなんかはむしろ積極的に装飾音を付けた歌唱をした方が表現するという観点からもプラスが大きいように思います。
どんな演奏をするにしても、最後は演奏者がその作品をどれだけ愛しているか。ってことが重要だと思いますし、これはプロに限らずアマチュア然りですね。
だからこそ、声だけ、技術だけのプロの演奏より、アマチュアの方の演奏の方が聴いていて魅力を感じたりすることがあるのでしょう。
以上が吉田志門さんへのインタビューでした。
この場を借りて、改めてインタビューをさせて頂けたことお礼申し上げます。
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